起潮力は微分重力により発生します。この記事では、微分重力によって発生する起潮力の大きさを導出し、起潮力の公式が持つ意味について探ってみたいと思います。
微分重力が何か分からない場合は、以前の記事を読んでみてください。
1. 月による万有引力と微分重力
二つの天体間の距離に応じて天体の各部分で重力を異なる形で受ける現象を微分重力と言います。
このとき微分重力によって物体がお互いに遠ざかろうとする力自体が起潮力です。
これが理解できたなら、以下の図も簡単に理解できるでしょう。この図は天文学及び天体物理学入門から取り出しました。

地球の半径は約6,400kmなので、各部分は月の中心に対して異なる距離を持ちます。
したがって(A)のように地球の各部分が異なる力で加速されます。
しかし地球の粒子は万有引力によってお互いにくっついているので、上記の物体のように互いに糸でつながれていると考えると簡単です。
これを地球の立場から見ると(B)のような力が作用しているように感じられます。
(B)の矢印は(A)でそれぞれの力ベクトルを地球中心Cに作用するベクトルから引いたものです。
これを微分重力加速度(または起潮力)と呼びます。
2. 微分重力加速度の大きさ
微分重力加速度の大きさを求めてみましょう。
天文学及び天体物理学入門 p94で微分重力の加速度を求めています。
内容は長く複雑ですが、高校の微積分レベルで簡単にまとめてみようと思います。
まず地球と月の間の遠心力は無視して、万有引力の公式だけを使ってみましょう。

二つの物体を地球と月とするならば、物体の質量は変わらないので、万有引力は二つの物体の距離にのみ比例することになります。
微分重力は万有引力の大きさの違いなので、上記のグラフのように1/x^2の反比例グラフから距離に応じた力の差を求めれば良いのです。

上記のグラフのx軸を二つの物体間の距離、y軸を万有引力の大きさとするなら、このグラフから微分重力は以下のように表現できます。

したがって両辺を距離rに関して偏微分すると、以下の式を得ることができます。
微分が分からない場合は、まあおおよそ式を見るだけで良いでしょう。

このような式を得てここで記号を少し見やすく変えて説明を加えると、以下のようになります。

3. 微分重力加速度公式の意味
結局、上記の最後の式で単位質量を1kgとして取り除くと微分重力加速度となります。
これを解釈してみましょう。
M = 起潮力を引き起こす惑星の質量 R = 起潮力を受ける天体の半径 d = 二つの天体間の距離 |

1) Mとdが一定なら? --> 起潮力を受ける天体の半径が大きいほど起潮力は大きい。
2) MとRが一定なら? --> 二つの天体の距離が近いほど起潮力は大きい。
3) dとRが一定なら? --> 起潮力を引き起こす天体の質量が大きいほど起潮力は大きい。- 微分重力加速度(起潮力)は二つの天体の距離、起潮力を受ける天体の半径、起潮力を引き起こす天体の質量にのみ関係があります。(微分重力加速度の大きさは起潮力を受ける惑星の質量とは無関係です。)
4. 結論 : 起潮力が発生する理由
1) 起潮力はなぜ発生するのか? --> 微分重力 のためです。
2) 微分重力はなぜ発生するのか --> 距離によって万有引力が異なるためです。
3) 地球の反対側が膨らむ理由? --> 地球がまず月に引っ張られ、水が遅れてくるからです。
4) 起潮力の大きさはどのようか? --> 起潮力を引き起こす天体の質量と起潮力を受ける天体の大きさに比例し、距離の3乗に反比例します。
今回の記事では起潮力の大きさについて調べました。
少し難しいですが、引き続き読んでいただければ多くの助けになると思います。
もし他のトピックを望む場合や気になることがあれば質問してください。

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