天文学で銀河の回転と恒星運動を学ぶとき、局部静止座標系というものが出てきます。
銀河の回転と恒星運動は、物理学で出てくる重力とドップラー効果で解決するのでそれほど難しくありませんが、局部静止座標系という概念は天球を初めて学ぶときと同じくらい新しいものであるため、理解するのが少し難しいです。
そこで、この概念をどのように理解していくかを比喩を通じて説明したいと思います。
この記事を読む前に、恒星の空間運動、銀河の回転についての内容を学んでおくことをお勧めします。
1. 局部静止座標系(LSR)とは?
局部静止座標系は、瞬間的に太陽の位置を中心に銀河中心に対して円運動をする座標系を意味します。
この言葉をじっくり見てみましょう。
局部静止座標系(Local Standard of Rest)
1) 座標系の基準:太陽の位置
2) 速度の基準:太陽位置での完全な円運動
3) 表現方法:完全な円運動に対する相対的運動
局部静止座標系は太陽の位置で完全な円運動をする天体を仮定し、それに対して「相対的に」どう動いているかを示します。
実際、基準となる太陽も我々の銀河に対して完全な円運動をしていないため、LSRに対して動いているように見えます。
太陽はヘラクレス座の方向に19.5km/sで移動しています。
2. 局部静止座標系の理解
以下のように太陽の周りでA, B, C軌道を回る天体があると仮定して、LSRに対する速度を比較してみましょう。

3つの軌道を仮定してLSRに対する速度を比較してみましょう。
1) A軌道はLSR位置で遠日点、銀河中心付近で近日点を持つ軌道です。この場合、完全な円軌道を回る天体より遅く動くでしょう。
2) B軌道はLSRを通る完全な円軌道です。これがLSRの基準となる速度です。
3) C軌道はLSR位置で近日点、銀河中心方向で遠日点を持つ軌道です。この場合、完全な円軌道を回る天体より速く動くでしょう。したがって、B軌道を回る天体はLSRに対して完全に静止しているように見え、A軌道を回る天体とB軌道を回る天体はLSRに対して互いに反対方向に動いているように見えるでしょう。
もう一つ例を挙げてみましょう。

それぞれの矢印は各軌道を回る天体の速度と方向を示しています。
LSR周辺で2つの軌道を回る天体はどう見えるでしょうか?
これはベクトルの差と同じです。

2つの天体がLSRで見える速度は実際の速度とは異なります。
高偏心率の軌道を持つ天体は実際の速度は遅いですが、LSRとの速度差が大きいため、速い速度で動いているように見えます。
低偏心率の軌道を回る天体は速度が実際には他の天体より速くても、LSRに対する速度差がそれほど大きくないため、低速で動いているように見えます。
重要なのはLSRで見える速度は実際の速度ではなく、完全な円軌道に対してどのように動いているかを示しているだけということです。
実際の我々の銀河の運動を見てみると、LSRに対して天体は3つの軸の方向に異なって動いているように見えます。

3. 結論
1) LSRは太陽の位置を仮定して完全な円軌道を回る天体の速度に対し
2) 他の天体がどう動くかを示したものであり
3) LSRを通じた天体運動の観測は実際の円運動に対して我々の銀河の回転がどのように行われているかを示しています。
4) 天体が誕生した場所がどこかによってLSR上で異なる位置を示すことになります。各特性を覚えることも可能ですので、一度調べてみてください。
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